逃げるは恥だが役に立つ #転職
このブログは転職Advent Calendarの23日目です。
昨日は同じ高専出身の先輩で、会社の後輩のいわたんでした。
qiita.com
この記事について
自分がやりたいこと、本当に大切なことを見つけて伸ばせるから、転職はいいぞって話をします。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の話は出ません。恋ダンスはサビだけ踊れます。
自己紹介
しょこ (@okoysm) です。高専*1を卒業し、20歳・新卒で総合電機メーカーのソフトウェア開発部門に設計開発者として入社しました。 そして、今年の3月より現職でサーバーサイドエンジニアをやっています。
TL;DR
- 転職してよかったか?と聞かれると失敗と成功半分半分。でも、人生経験として転職はいいぞ。
- 自分のやりたいことと会社に求められていることが一致していると仕事しやすい
「逃げるは恥だが役に立つ」?
恋ダンスで話題の「逃げ恥」ですが、このタイトルはもともとハンガリー語のことわざです。
Szégyen a futás, de hasznos. (ハンガリー語) = Running is a shame, but useful. (英語) = 逃げるは恥だが役に立つ
意味は「戦場を選べ」、つまり「自分の土俵で戦え、自分の得意分野で勝負しろ」という解釈になります。
自分の場合
どこでも役に立てない、中途半端なスキルセットでした。ことわざに合わせて言うならば「戦える土俵がない」と思ってました。なのに逃げました。そんな自分を高く評価してくださった、一番初めに内定をくださった今の企業の内定を承諾し、今働いています。
転職のきっかけ
主なきっかけは3つです。
1. 夫が転職した
2. 作ってるもの・使ってるユーザーがわかりやすいものを作りたくなった
3. 会社の方針が自分の方針と合わなくなってきた
夫が転職した
詳しくはこちらのエントリで
muramurasan.hatenablog.jp
夫が転職したのは昨年の10月です。それまでもなんとなくWeb系への憧れがありましたし、いつかそういうので働きたいなーって思ったりしてました。ただ、身近な夫が転職したのは自分の中で大きなきっかけになりました。夫が人生を考えている今、自分はどうだろう?と。そして、夫が転職して新しい会社で色々なものを得ているのを見て、とりあえずDODAに登録しました。
作ってるもの・使ってるユーザーがわかりやすいものを作りたくなった
もともと作っていたのはオンプレミス環境向け管理パッケージソフトで、主なユーザーはデータセンター管理者を想定していました。開発の理念である「お客様にThank you!と言われるものづくりをしよう」にはとても賛同していましたが、作るもの・想定ユーザーどちらも遠く、「自分が作ったプロダクトは本当に喜ばれているのだろうか?」と考えることが多かったです。
それよりは、もっと身近なものを、身近な(ITリテラシー低い人でも使える)ものを作りたいと考えていました。
会社の方針が自分の方針と合わなくなってきた
自分のいる部門が自社製品を設計開発するのではなくSEとして出向して開発するように会社の方針が変わりました。SEとして一時期金融系B2Cシステムの開発に従事していましたが、あくまでも「ベンダー」だったので、何をするにも制約があり苦しかったです。ここで私は改めて 自分にベンダーは向いてない と思いました。
転職活動どうだった?
基本的に仕事の後だったのと、別業界からの転職だったので体力・精神ともに結構苦労しました。
ちなみにこのときの転職活動はWantedlyと転職エージェント(DODA)を使いました。
嬉しかったこと
いろんな会社のいろんな社風・考え方に触れられた
これは転職活動しなくてもできたのですが、転職活動をきっかけに様々な会社にWantedly経由で訪問しました。
自分の会社とは変わった考え方、服装などとても新鮮でした
メーカーでやってきた「当たり前」が評価された
SIを経験したWeb業界で活躍する方に聞いて気付かされたのですが、例えばテストの方法など、メーカーでは「MECEに」「境界値をみる」など当然とされていることが、Webしか知らない人だと「この辺プログラム難しかったしバグ多かったからテストしておこう」となってる人が多いので、その意味で、メーカーの当たり前をそのまま適応するかは置いておいて、考え方などは悪くないと言われ嬉しかったです。
好きでやってた社外での活動が評価された
当時、私は業務外で女性エンジニアコミュニティ「dots.女子部」の若女将(運営メンバー)をやっていました。また、dots.女子部のイベントを中心に様々なイベントで登壇していました。私自身は好きでやってただけなのに、それが転職において「強み」として評価されたのは嬉しかった
辛かったこと
主に辛かったのは3つです。
業務後疲れた状態で面接を迎えること
ちょうど転職活動していた時期が忙しかったため、頭が回ってない状態で役員面接を何度も迎えました。
もし本命を受けるときは半休とるなどしたほうが良かったなと今では思います。
自分のスキルセットがWebと合わない
自分が主にやっていたのはフロントエンドとバックエンドの開発とオフショア開発のブリッジSEだったのですが、それがWebのスキルセットと合いませんでした。
私がやってたフロントエンドは前時代的なもの(Flex/ActionScript3.x)でしたし、バックエンド開発をやっているといってもWebサービスではなかったのでバックエンドも合わず、ブリッジSEは英語アピールの一つくらいにしかならず、インフラは業務知識であるだけで自分のやりたいことに合わない。
とても苦しかったです。
ゼネラリストではなく、ほどほどにしかできない器用貧乏
私の職務経歴書を見ると分かるんですが、年齢(25歳)の割に経験してきた担当工程めちゃくちゃ広いんですよ。ただ、これは裏を返せば「これなら任せてください」という強みがないということです。
転職活動において、自分を採用するメリットをPRするのはとても難しいです。
今の会社に評価されたポイント
入社前後で聞いた話を踏まえると以下の3点かなと思います。
ポテンシャル
20歳で就職したので面接時は24歳なのに4年目で前職での担当工程はビジネス側から開発のテスト・納品まで多岐にわたり、かつオフショアのブリッジSEもやったり、研修の一環で営業や工場のラインやったりと、いわゆる理系大学院2年生と同じ年でたくさんのことをやってきていました。
それに加え人見知りしないので、新しいものをどんどん吸収するために周りを巻き込めるのではという点でした
テクノロジーブランドの向上要員
私は社外での活動が好きですが、弊社の多くのエンジニアはあまり発信しません。「勉強会に参加しよう」って言われてるくらい、参加すらしない人が多いです。
そんな中、勉強会に参加するだけじゃなく、企画したり運営したり登壇したりする人が来るだけで社内に新しい風を吹かせられるという点が評価されました
会社にいない「新しい風を吹かせてくれる人材」
自分で書くのも恥ずかしいですが、勉強会に登壇したり、新しい仕組みを導入したり、アジャイルな開発に慣れていたり、一通りの工程を経験していたり、とにかく行動力とスピードがある。そんな人材弊社には居ませんでした。
ですので、テクノロジーブランドを向上すべく「新しい風を社内に吹かせてくれそう」という点が評価されたと思います
転職した感想
成功したと思った部分
新しいこと・楽しいことをガンガンできる
「新しい風を吹かせてくれる人材」と見られているので、デザイン思考*2や、アジャイルのプラクティス、新しいフレームワークの導入など、新しいこと面白いことをたくさんやらせていただいています。
Mashup Awards for Proにも出させていただき、実際にチームを優勝に導きました。
okoysm.hatenablog.jp
自分が本当に大事にしたいことが分かる
転職した時は「ITリテラシーが低い人でも使ってるB2CのWebサービス開発がしたい」と思っていたのですが、実際転職して自分が大事にしたいことは、
「職能に縛られず自分がチームで考えたいいとおもったコンテンツを世の中にガンガン出したい」「技術面の師匠がすぐそばに居ること」だったことです。
失ってから初めて気づくとはよく言いますが、まさにそれで、前職はとても恵まれていたのだなと改めて感謝しました。
失敗したと思った部分
※注意※以下の失敗した部分については、自分なりになんとか失敗にしないように改善案を検討・実践しています。
面接官の話していた言葉の定義が自分と違った
面接官は「上流から下流のテストまでできる」と聞いていたのに、実際はウォーターフォールみたいな開発手法を採用しており、サーバーサイドエンジニアはディレクターから降りてきた仕様を詰めて、実装するというスタイルでした。悪くいうならば社内外注ですね。
私はこの言葉を「上流のコンテンツ検討からデザイン、フロントエンド開発、サーバーサイド開発、テストすべてに携われる」と思っていました。
ですが面接官は「上流のマネジメントや下流の担当レベルの開発までできる」という意図で話していたことが入社後にわかりました。入社当時フロントエンド・バックエンド両方やりたいと思っていた自分としてはまずここで大きな失敗をしたと思いました。
開発環境が想像以上にレガシーだった
まずウォーターフォール開発で一つ一つのフェーズで中間成果物を作成して開発しているためとてもリリースまでに時間がかかっています。前職ならこれくらいもっと早く終わったのに・・・悔しい・・・という気持ちを感じることが多かったです。
この会社に転職してから定時後2週間ほど某社に社会人インターンに行っていたのですが、初めてRuby on Rails触った人が実装しても、弊社なら3ヶ月かかりそうな規模のリリースを行いました。
開発環境のレガシーさは語ればキリがないので一つだけいいます。メインサービスはEOLを数年前に迎えているPHP5.x系*3で動いています。PHPの最新バージョンは7.1です。
自分の伸ばしたいスキルと会社に評価されるスキルの不一致
半期に一度の上司から評価されたのですが、評価が高かったのは「この会社で身につけたスキルを発揮した時」ではなく「前の会社や社外で自分が見つけたスキルを発揮した時」です。中途採用者だしそういうものなのかもしれないけれど、自分は普段の業務で手札を増やすために転職したのに、外や前職で手に入れた手札を出すことのほうが評価されてしまっている。もっと言えば、業務よりその手札を出すことを期待している人も社内に少なくありません。
そんな状況で今25歳。ここで20代後半を過ごして30以降エンジニアとして生きていけるのだろうかと日々考えて、色々試したりしています。例えば、アーキテクチャ検討・Scalaの実装に集中できるチームに異動したり、転職DRAFTにENTRYするなど。
今後どうする?
逃げるは恥だが役に立つ。でも、やりたいこともやる!
ここでタイトルに戻ります。意味は「自分の土俵で戦え、自分の得意分野で勝負しろ」でした。
そして自分のやりたいことが、「職能に縛られず自分がチームで考えたいいとおもったコンテンツを世の中にガンガン出したい」「技術面の師匠がすぐそばに居ること」です。
だから、今後は自分の得意分野を活かしつつやりたいことができる職場に今の職場を改善するか、私の得意分野を求めていて、かつ私のやりたいことができる職場に移るかしていきたいと思います。
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